広告シェアと市場シェアの差:ESOV
ESOVは、カテゴリー内の広告シェアと売上シェアの差です。
プラスなら市場シェアの成長、マイナスなら縮小と関連する傾向があり、ブランド予算の規模を考える目安になります。
6 分で読めます · 更新日 2026年9月7日
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線より上は規模を上回る出稿でESOVがプラス、下は規模に対して出稿が少ない状態です。
前者はシェア拡大、後者は縮小と関連する傾向があります。
どのような指標か
SOV(Share of Voice)はカテゴリー内の広告シェア、SOM(Share of Market)は売上シェアです。ESOVはその差を表します。
ESOV = SOV − SOM
規模に比例して出稿するブランドはゼロ、規模以上に出稿するブランドはプラスです。長年の事例データでは、プラスのESOVは市場シェア成長と関連します。規模に比べて出稿が少ないブランドは、徐々にシェアを失う傾向があります。
メディアプランに必要な理由
メディアプランの多くは、チャネル、週、素材の効率を考えます。ESOVが扱うのは予算全体の大きさです。「競合に対して、現在の地位を維持・拡大できるだけ投資しているか」という、配分前の問いに答えます。
ブランド構築と獲得施策の比率にも関わります。長期の知見では平均的な目安は60対40でブランド重視ですが、カテゴリー差は大きく、B2Bやオンライン取引では50対50に近く、ロイヤルティの高い市場やサブスクリプションではブランド比率が高くなります。獲得施策だけの計画は、毎四半期効率的に見えても、ESOVがマイナスになり、1年後に市場シェアが追随する可能性があります。
仕組み
同じ期間、通常は1年間を対象に、一貫した基準で両シェアを求めます。各ブランドを、市場シェアと広告シェアの2軸に配置。両者が等しい線を基準に、上は規模に先行する投資、下は既存の地位に依存する投資となります。
計画では、目標ESOVから予算を逆算します。カテゴリーの年間広告費をXとし、市場シェア15%のブランドがESOVを10ポイント確保したいなら、SOVは25%、予算はXの4分の1です。それが期待する約0.5ポイントの成長につながるかは、カテゴリー、素材、チャネル次第です。
大きいブランドは既存の想起の強さによって、わずかにマイナスのESOVでもシェアを維持できる場合があります。小さいブランドは、同じ成長により高いESOVを必要とします。どちらも計画の前提に含めます。
Kuwalystでの使い方
ベンチマークに基づくプランでは、配分前にESOVでブランド予算の規模を点検します。競合広告費があれば、SOV、SOM、ESOVと、目安から考えられる翌年のシェア変化をベンチマークとして示します。データがなければ不足を明示し、補える情報源を提案します。
ブランド構築と獲得施策の比率は、ベンチマーク集のカテゴリー別項目から始め、前提として記録します。モデルが学習できたら、その前提を検証します。長い残存効果がアドストックやベースラインの傾向に表れることで、自社データが何を支持するかを確認できます。
注意点
基準を混ぜないこと。あるブランドは広告費、別のブランドはインプレッションで計算すると比較できません。
カテゴリーの範囲に注意すること。狭く定義すると市場シェアが大きく見え、実際に顧客を奪っている競合を見落とします。
平均は自社ブランドの結果ではありません。ESOV10ポイントにつき市場シェア0.5ポイントという値は、多数の事例の平均です。素材の質によって数倍変わり得ます。ベンチマークと明示し、測定します。
広告費のシェアと注目のシェアを混同しないこと。見られていないチャネルへの支出は、実質的なSOVになりません。この関係は、注意を届ける媒体をもとに得られています。