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MMM​(マーケティングミックスモデリング)とは

MMM​(マーケティングミックスモデリング)とは​何か。
​仕組み、​アドストックと​飽和、​ベイズ推定、​実験に​よる​キャリブレーション、​そして​最後に​何が​手元に​残るかを、​わかりやすく​解説します。

Hajime Takeda · 更新日 2026年9月28日

MMM​(マーケティングミックスモデリング)とは

MMMとは、​マーケティングミックスモデリング​(Marketing Mix Modeling)の​略で、​売上や​注文数などの​事業成果を、​ベースライン、​各マーケティング施策の​貢献度、​季節性やトレンドなどの​外部要因に​分けて​説明する​統計的な​手法です。​使うのは​集計データです。​チャネル別の​週次広告費、​週次の​売上、​そして​価格、​販促、​季節性、​競合の​動きと​いった、​売上を​動かす外部要因です。​個人単位の​トラッキングを​必要としないため、​サードパーティCookieが​なくなっても​使い続けられ、​テレビCM​(TVCM)、​ラジオ、​屋外広告、​新聞雑誌と​いった​オフライン施策を、​検索広告や​SNS広告と​同じ​土俵で​扱えます。

同じ​手法に、​いく​つもの​呼び方が​あります。​マーケティングミックスモデリングと​メディアミックス​モデリングは​同じ​手法で、​後者は​名称を​広告メディアに​限定した​ものです。​実務上、​モデルが​説明する​大半は​メディアなので、​両者の​違いは​ほとんど​ありません。​MMMの​意味を​一言で​いえば、​「各施策の​売上への​貢献度を、​集計データから​定量的に​推定する​手法」です。​MMM分析、​MMMマーケティングと​いう​呼び方も、​この​手法を​指します。

MMMを​マーケティングに​活用する​目的は、​売上や​注文数などの​KPIに​対する​各施策の​貢献度を​可視化し、​予算配分の​判断に​役立てる​ことです。​MMMが​答えるのは​予算配分の​問いです。​期間中に​各チャネルは​売上に​どれだけ貢献したか、​そして​各チャネルに​次の​1円を​投じたら、​どれだけの​効果が​返ってくるか。​同じくらい​大切なのは、​MMMが​測らない​ことです。​個々の​顧客は​測りません。​ある​人が​どの​広告を​見たかは​わかりません。​クリエイティブの​質は、​その​クリエイティブが​出稿された​週の​集計効果を​通じてしか​見えません。​因果関係を​証明する​ものでも​ありません。​2つの​チャネルが​常に​同時に​動いていれば、​当ては​まりの​良い​モデルでも​貢献度を​取り違える​ことがあります。​その​ため、​実験に​よる​キャリブレーションが​必要です。​また、​観測した​広告費の​範囲を​超える​予測は​外挿であり、​仮説と​して​扱う​必要が​あります。

MMMが​注目される​理由:Cookieレス、​オフライン施策、​経営への​説明責任

マーケティングミックスモデルは、​デジタル広告より​古い​手法です。​消費財メーカーが、​テレビCMと​販促の​効果を​集計売上から​測る​ために​使ってきました。​デジタルの​アトリビューションは​それより​良い​ものを​約束してきました。​一人​ひとりの​ユーザーを​インプレッションから​購入まで​追跡し、​途中の​接点に​成果を​配分する、と​いう​約束です。​しかし、​プライバシー規制と​シグナルの​減少に​より、​クリックの​追跡は​広告効果の​測定手段と​して​信頼性を​落としました。​同意バナー、​サードパーティCookieの​終了、​アプリの​トラッキング制限、​ブラウザの​仕様変更に​よって、​マルチタッチアトリビューションが​依存する​個人単位の​データは​減り続け、​残った​データは​トラッキングに​同意した​ユーザーに​偏っています。

同じくらい​重い​理由が、​あと​2つあります。​アトリビューションは​オフライン施策を​対象に​できませんでした。​テレビCMの​効果は、​プラットフォームの​ダッシュボード上では​説明の​つかない​指名検索の​増加と​して​現れ、​ダッシュボードは​それを​検索広告の​成果と​して​計上します。​そして、​プラットフォームが​報告する​ROASには​構造的な​偏りが​あります。​各プラットフォームは​自分の​物差しで​測り、​同じ売上を​重複して​数える​ことが​多く、​飽和した​チャネルは​次の​1円が​効かなくなった​後も、​平均では​良好な​効果を​報告し続けます。

その​ため、​ブランドも​代理店も、​モデルに​よる​効果測定、​つまり​メディアミックス​モデルと​実験に​戻りつつあります。​経営層や​財務部門に​マーケティングの​ROIを​説明する​際には、​監査できる​方法が​求められます。​MMMは、​この​道具箱の​中で、​オンラインと​オフラインを​含むマーケティングミックス全体を​一度に​読み解く​部分を​担います。​モデルが​各施策の​貢献度を​推定し、​実験が​その​推定を​キャリブレーションし、​その​結果が​予算配分の​判断に​なります。

MMMの​仕組み:アドストック、​飽和、​反応曲線

ここで​扱う​モデルは、​週次の​成果を​次のように​加法的な​要素に​分解します。

売上(t) = ベースライン
        + Σ チャネルごとに  β × 飽和( アドストック( 広告費(t) ) )
        + 季節性(t) + トレンド(t) + 外部要因(t) + ノイズ

貢献度の​推定を​担うのは​3つの​部品で、​それぞれに​手法解説の​ページが​あります。

**アドストック​(広告効果の​持ち越し)**は、​ある週の​広告費の​効果を​翌週以降に​持ち越します。​広告は​出稿後も​効き続けるからです。​標準的な​形は​幾何減衰型​アドストックで、​毎週、​前週の​効果の​一定​割合が​残ります。​検索広告は​数日で​減衰し、​テレビCMは​数週間かけて​減衰します。​持ち越しの​ない​モデルは、​テレビCMの​遅れて​現れた​売上を、​その​後に​出稿していた​施策、​多くは​検索広告やリターゲティングに​割り当ててしまいます。

飽和は​効果を​曲げます。​2回目の​100万円は​1回目ほど​効かないからです。​オーディエンスは​有限で、​接触頻度は​積み​上がり、​安い​広告枠から​先に​埋まります。​標準的な​形は​Hill関数に​よる​飽和で、​半飽和点と​形状の​2つの​パラメータを​持つ曲線です。​飽和は​アドストック後の​広告費に​適用します。​飽和するのは​累積した効果であって、​単週の​支出ではありません。

係数βは、​変換後の​広告費を​売上に​換算します。​事後分布の​サンプルごとに、​係数βに​飽和と​アドストックを​適用した​広告費を​掛けた​ものが​その​チャネルの​貢献度で、​それを​期間中の​広告費で​割った​値が、​その​チャネルの​インクリメンタルな​効果です。

3つを​組み合わせると、​チャネルごとに​反応曲線が​得られます。​広告費に​対する​売上の​曲線で、​最初は​急に​立ち​上がり、​チャネルを​使い​切るに​つれて​平らに​なります。​この​曲線の​上には、​異なる​問いに​答える​2つの​数値が​あります。​平均的な​効果、​つまり​売上を​広告費で​割った​値は、​ダッシュボードが​ROASと​呼ぶものです。​これは​過去を​記述します。​限界的な​効果、​つまり​現在の​広告費に​おける​曲線の​傾きは、​次の​1円が​もたらす売上の​モデルに​よる​推定値です。​飽和する​曲線では​限界的な​効果は​常に​平均を​下回り、​曲がり角を​過ぎる​ほど差は​広がります。​限界​インクリメンタル​ROASは、​次の​1円の​ために​チャネルを​順位づけする​数値であり、​メディアプランが​予算を​動かす根拠に​なる​数値です。

モデルの​残りは、​ベースラインと​外部要因です。​季節性、​トレンド、​価格、​販促、​配荷、​競合の​活動、​マクロ経済の​変数です。​これらが​重要なのは、​各施策の​効果が​これらとの​比較で​決まるからです。​販促カレンダーを​入れ忘れた​モデルは、​販促の​効果を、​その​週に​出稿していた​チャネルの​貢献度と​して​計上してしまう​ことがあります。

ベイズ型MMM:事前分布と​不確実性、​なぜ幅が​重要か

すべての​パラメータが​事前分布、​つまり​「もっともらしい​範囲」に​ついての​明示的な​仮定から​出発し、​データが​それを​事後分布へ​更新する​とき、​その​モデルは​ベイズ型です。​出力は​チャネルごとの​点推定ではなく​事後分布で、​そこから​中​心的な​推定値と​幅を​読み取ります。

よく​作られた​モデルは、​事前分布を​3段階で​使い分けます。​アドストックの​減衰率のような​構造パラメータには​強い​事前分布を​置きます。​メディアの​物理は​よく​知られているからです。​テレビCMの​半減期を​2週間と​見込む​チームは、​そう​宣言したうえで、​データに​調整させる​ことができます。​飽和には、​その​チャネルの​典型的な​広告費に​合わせた​中程度の​事前分布を​置きます。​チャネルの​係数には、​データから​推定できる​余地を​残すため、​正の​値を​取る​弱い​事前分布を​置きます。​係数の​事前分布を、​その​チャネルの​過去の​予算シェアに​比例させるのが​実用的な​既定値です。​企業自身の​予算配分が、​企業が​すでに​信じている​ことを​表しているからです。

事前分布は、​ブランドが​実際に​持っている​データで​MMMを​使えるように​する​仕組みでもあります。​2〜3年の​週次データは​100〜150点で、​それを​チャネルと​外部要因で​分け合います。​それだけ少ない​データに​平坦な​事前分布を​置くと、​ありえない​効果の​値が​出て、​サンプリングも​不安定に​なります。​逆に​事前分布が​狭すぎると、​事後分布は​事前分布​その​もので、​データは​何の​役割も​果たしません。​別の​もっともらしい​事前分布で​再推定する​感度分析が、​結論が​どれだけ事前分布に​依存するかを​示し、​この​2つを​見分ける​確認手順に​なります。​チームが​監査できる​事前分布が、​モデルと​ブラックボックスの​違いを​作ります。

推定は​マルコフ連鎖モンテカルロ法に​よる​サンプリングで​行います。​結果は​各パラメータの​事後分布からの​サンプルの​集合で、​反応曲線、​貢献度、​シナリオの​予測と​いった​下流の​計算は​すべて、​この​サンプルの​上で​行います。​メディアプランに​示される​幅は​ここから​来ています。​そして、​点より​幅が​重要な​理由も​ここに​あります。​予測される​増分の​幅が​ゼロを​またぐなら、​それは​「効果なし」と​区別が​つかないと​明記すべきで、​中央値が​正であっても​同じです。​限界的な​効果が​損失から​大きな​利益までの​どこに​あっても​おかしくない​チャネルは、​意思決定の​対象ではなく、​まず​測定すべき対象です。

ベイズ・​メディアミックス​モデリングの​解説ページに、​事前分布、​サンプリング、​落と​し穴の​詳細が​あります。

実験​(ジオリフト)に​よる​MMMの​キャリブレーション

MMMは​観察データに​基づく​推定です。​売上を​よく​予測しながら、​貢献度の​割り​当てを​誤る​ことがあります。​チャネルは​同時に​動くからです。​第4四半期には​誰もが​広告費を​増やし、​テレビCMは​指名検索を​生み、​加法的な​モデルは​それを​検索広告の​成果に​数えます。​決定係数​(R²)や​サンプル外の​誤差は​必要条件であって、​十分条件ではありません。​貢献度の​割り​当てを​検証するのは、​リフト測定の​実験です。

インクリメンタリティの​実験では、​一部の​単位で​広告を​変更し、​他の​単位では​変更せず、​成果の​差を​測ります。​個人単位の​データなしで​機能する​単位が​地域です。​地域別リフト実験では、​一部の​地域である​チャネルを​停止または​増額し、​対象外の​地域から​合成対照群を​作り、​その​差を​読み取ります。​得られるのは、​ただ​一つ​注釈の​いらない​種類の​数値、​「実測値」です。

キャリブレーションは、​この​2つを​つなぐ​ループです。​実験で​測定したインクリメンタルな​効果を、​次回の​推定で​その​チャネルの​係数の​事前分布と​して​使います。​こうして​モデルの​曲線は​検証済みの​広告費の​水準に​固定され、​曲線の​残りの​形は​モデルから​得られます。​モデルが​推定したインクリメンタルな​効果と​実験で​測定した​値が​3分の​1を​超えて​食い​違えば、​モデルは​その​チャネルに​ついて​識別の​問題を​抱えており、​プランは​その​ことを​明記すべきです。​モデル化し、​実験し、​再較正する。​この​ループが、​一度​作って​終わりの​モデルと、​使われ続ける​モデルを​分けます。

どの​チャネルから​実験すべきかは、​モデルが​答えてくれます。​限界的な​効果の​幅が​広すぎて​判断できない​チャネル、​あるいは​広告費の​変動が​小さすぎて​識別できない​チャネル​(週次広告費の​変動係数が​0.1未満なら、​モデルは​事前分布を​そのまま​返しています)が、​地域別リフト実験の​第一候補です。​書籍​『Marketing Science in Python』の​6.4章で、​キャリブレーションの​手順を​一つずつ​追えます。

MMMに​必要な​データと​期間

最低限必要なのは、​チャネル別の​週次データを、​十分に​長い期間そろえる​ことです。​有料チャネルすべての​広告費を、​オフライン施策も​含めて​用意します。​成果指標は​売上または​注文数で、​プラットフォームが​計上した​数値ではなく、​データウェアハウス、​ECプラットフォーム、​あるいは​アクセス解析から​取ります。​そして、​成果を​動かす外部要因も​必要です。​価格、​販促、​配荷、​季節性、​競合の​活動、​そして​「その​期間に​何が​あったか」の​カレンダーです。​メール、​自然検索と​いった​オーガニックの​自社チャネルは、​通常は​メディアではなく​外部要因と​して​扱い、​どちらと​して​扱ったかを​モデルカードに​明記します。​小売ブランドでは、​配荷、​店舗の​開店、​販促カレンダーが​外部要因に​加わります。

期間の​目安は​2〜3年です。​2年未満では、​チャネルを​季節性から​分離するには​データ点が​足りず、​モデルより​先に​実験を​行います。​係数を​時間とともに​変化させるには、​5年以上の​データと、​施策と​成果の​関係が​変化した​ことを​示す記録が​必要です。​それが​なければ、​固定した​係数に​正直な​幅を​つける​ほうが​信頼できます。​日次データには​日次の​物理が​必要です。​幾何減衰型​アドストックを​日次で​扱う​場合、​週次の​残存率を​λと​すると、​日次の​残存率は​λの​7分の​1乗です。

変動は、​期間の​長さと​同じくらい​重要です。​毎週​同じ​水準で​出稿している​チャネルは、​履歴が​どれだけ長くても​データから​識別できません。​モデルは​事前分布を​そのまま​返します。​相関が​0.95を​超える​チャネル同士も​区別できません。​また、​単一の​チャネルが​支配的な​場合や、​まったく​新しい​商品には、​MMMは​適した​道具ではありません。​いずれの​場合も、​まず​実験、​モデルは​その後です。​ベンチマークから​始める​プランは、​どの​数値が​借り物かを​明記すべきです。​その​ために​検証済み​ベンチマーク集が​あります。

MMMの​作業の​大きな​部分は、​マーケティング​サイエンティストに​よる​データの​準備です。​プラットフォームの​エクスポートを​データウェアハウスと​突き合わせ、​週の​区切りを​そろえ、​誰も​記録していなかった​販促や​価格変更を​文書化し、​何を​一つの​チャネルと​して​数えるかを​決めます。​地味な​作業ですが、​モデルの​質を​決めるのは​ここです。

MMMと​アトリビューション、​インクリメンタリティの​違い

3つの​手法は​異なる​問いに​答えます。​効果測定の​計画には、​通常​そのうちの​複数が​必要です。

マルチタッチアトリビューション​(MTA)は​個人単位で​働きます。​接点を​またいで​個人を​追跡し、​コンバージョンごとの​成果を​ルールに​従って​接点の​間で​配分します。​速く、​粒度が​細かく、​毎日​使えます。​チャネルの​中での​最適化、​つまりどの​キーワード、​どの​オーディエンス、​どの​クリエイティブか、と​いう​問いに​通常使われる​道具です。​その​限界は​構造的な​ものです。​追跡できる​ものしか​見えず、​オフライン施策と、​増え続ける​追跡できない​ユーザーは​対象外です。​数えているのは​経路に​沿った​相関で​あって、​因果ではありません。​線形、​時間減衰、​データドリブンと​いった​ルールは、​観測された​接点の​間で​成果を​分けるだけで、​観測されなかった​接点には​決して​配分しません。

MMMは​集計レベル、​つまり​週次・​チャネル単位で​働きます。​オフラインも​オンラインも​見え、​トラッキングを​必要と​せず、​施策全体の​予算配分の​問いに​答えます。​限界は​前述の​とおりです。​観察データに​基づく​推定であり、​履歴と​変動を​必要とし、​解像度は​チャネルと​週で​止まります。

インクリメンタリティの​実験は、​一つの​チャネル、​一つの​広告費水準、​一つの​期間に​ついて、​因果関係を​直接測ります。​テストの​条件のもとで、​チャネルが​何を​引き起こしたかを​測定できる​唯一の​手法です。​限界は​コストと​範囲です。​一度に​答えられる​問いは​一つで、​きれいな​介入が​必要で、​結果は​曲線上の​一点であって​曲線​その​ものではありません。

実務的な​組み合わせは​階層構造です。​実験が​モデルを​較正し、​モデルが​チャネル間で​予算を​配分し、​アトリビューションが​各チャネルの​中を​最適化します。​アトリビューションの​数値は、​インクリメンタルな​値ではなく​「配分された​値」と​して​読みます。​チャネル間の​予算配分に​ついては​MMM、​チャネル内の​クリエイティブや​入札の​選択に​ついては​アトリビューション、と​いう​使い​分けに​なります。​実験に​ついては​インクリメンタリティとはで、​3つの​手法の​比較は​アトリビューション分析と​MMM、​どちらを​使うべきかで​解説しています。

MMMで​わかる​こと・できない​こと

MMMで​わかるのは、​次の​4つです。​期間中の​各施策の​売上への​貢献度と、​ベースラインとの​分解。​チャネルごとの​反応曲線と、​現在の​広告費に​おける​限界的な​効果。​予算を​動かした​ときの​売上の​シミュレーションと、​その幅。​そして、​どの​チャネルの​数値が​不確かで、​次に​どの​実験を​すべきか。​これらは​経営層への​説明に​使える​形の、​定量的な​根拠です。

MMMで​できない​ことも、​はっきりしています。​個々の​顧客の​行動や、​ある​人が​見た​広告は​わかりません。​クリエイティブの​良し悪しは、​出稿された​週の​集計効果を​通じてしか​見えません。​観測した​広告費の​範囲を​超えた​予測は​外挿に​すぎず、​仮説と​して​扱うべきです。​因果関係の​証明は​実験の​役割で、​MMM単独では​担えません。​そして、​広告費の​変動が​小さい​チャネルに​ついては、​モデルは​事前分布を​返すだけです。​できない​ことを​明記したうえで、​できる​ことを​予算配分に​使う。​それが​MMMの​正しい​使い方です。

最後に​手元に​残る​もの:モデル、​曲線、​メディアプラン

MMMプロジェクトの​成果物は、​数値の​入った​スライドではなく、​確認と​再利用が​できる​モデル​その​ものであるべきです。​推定が​終わった​ときに​ブランドの​手元に​残るべきなのは、​確認と​再利用が​できる​アーティファクトと​しての​モデル​その​ものです。​データの​期間、​チャネル、​外部要因、​変換を​記した​モデルカード。​事前分布と、​それぞれの​出所。​チャネルごとの​推定パラメータ、​つまり​減衰率、​半飽和点、​形状、​係数と、​その​事後分布。​売上単位の​反応曲線と、​その幅。​サンプル内と​サンプル外の​当ては​まりの​診断と、​事前分布を​変えた​場合の​感度分析。​そして、​どの​実験結果を​どの​チャネルの​事前分布に​反映したかを​記録した​キャリブレーションの​記録です。

モデルを​プランに​変えるのは​曲線です。​シナリオとは、​チャネルごとに​一つずつ​決めた​広告費の​水準の​組み合わせです。​その​予測売上は、​ベースラインに​各曲線を​その​水準で​評価した値を​合計した​もので、​事後分布の​サンプルごとに​計算する​ため、​幅が​つきます。​予算配分の​最適化とは、​この​土台の​上で、​限界的な​効果と​幅を​もとに​配分案を​比較する​ことです。​全チャネルに​予算を​上乗せする​成長シナリオと、​飽和した​チャネルを​削る​効率シナリオを、​予測される​効果と​それぞれの​トレードオフとともに​並べて​読みます。

メディアプランは、​前提を​書き出した​意思決定です。​どの​数値が​実測で、​どれが​モデルに​よる​予測で、​どれが​ベンチマークか。​そして、​どの​実験結果を​次回の​モデル推定に​反映するか。​この​プラン、​モデル、​根拠は、​誰が​作った​ものであれ、​ブランドの​手元に​残るべきものです。​Media Plannerの​モデルは、​オープンソースの​ライブラリPyMC-Marketingで​構築しています。​Kuwalystが​Meridianではなく​PyMC-Marketingを​使う​理由で、​この​選択が​何を​変えるかを​説明しています。

Kuwalyst Media Plannerでの​MMMの​使い方

Media Plannerは、​ブランドの​データウェアハウスに​ある​チャネル別の​週次広告費、​売上、​注文数、​ファネルの​データ、​通常2〜3年分を​使って、​ベイズ型MMMを​推定します。​幾何減衰型​アドストック、​Hill関数に​よる​飽和、​そして​チームが​監査できる​事前分布を​使います。​モデルカード、​事前分布、​反応曲線、​当ては​まりの​診断は、​チームが​確認できる​アーティファクトと​して​保存されます。​チームや​パートナーが​すでに​構築した​モデルも​アーティファクトと​して​読み込めます。​Media Plannerは​自前の​モデルを​強制しません。

予算配分に​平均ROASは​使いません。​Planビューは、​各チャネルの​反応曲線から、​コミット済みの​広告費に​おける​限界​インクリメンタル​ROASを​読み取ります。​予算は​飽和した​チャネルから​余地の​ある​チャネルへ​移り、​すべての​シナリオに​幅が​示されます。​Operateビューは​プランを​目標に​対して​監視し、​Tuneビューは​曲線の​傾きに​基づいて​配分の​変更を​提案します。​受け手の​チャネルが​自身の​曲がり角に​達するまでに、​どれだけ動かせるかを​示します。​チャネルの​幅が​広すぎて​判断できない​場合、​提案は​測定に​なります。​幅を​狭める​地域別の​ホールドアウト実験を、​対象地域、​期間、​期待される​幅の​縮小とともに​提案します。​実験の​結果は​同じワークスペースに​届き、​次回の​推定に​反映されます。

すべての​画面と​エクスポートの​すべての​数値に、​実測、​予測、​ベンチマークの​いずれかの​タグが​付きます。​履歴の​ない​ブランドは​検証済み​ベンチマーク集から​始め、​プランは​依存している​ベンチマークを、​それが​誤っていた​場合に​予測が​どれだけ動くかの​順に​列挙します。​根拠が​置き換わるに​つれて、​タグも​変わります。​代理店は、​自社ブランドのもとで​クライアントに​Media Plannerを​提供できます。​代理店向けの​ホワイトラベルの​マーケティング​サイエンスを​ご覧ください。​ブランドは​自社で​運用する​ことも、​Kuwalystの​チームに​運用を​任せる​こともできます。​ブランド向けの​マーケティング効果測定を​ご覧ください。​モデルは​EU域内で​ホスティングされる​インフラ上で​動き、​データが​どこへ​行き、​どこに​留まるかは​明文化されています。​プランその​ものを​これから​作る​段階なら、​まず​メディアプランの​作り方と​その​テンプレートから​どうぞ。

Media Plannerで​MMMを​予算配分に​使う​方法を​見る

Media Plannerは、​自社の​履歴データで​モデルを​推定し、​モデルカードと​反応曲線を​確認できる​アーティファクトと​して​保存します。
​予算は​限界的な​効果に​基づいて​配分し、​すべての​予測に​幅を​示します。

メディアプランニングツールの詳細を見る

よく​ある​ご質問

MMMとは​何ですか?

MMM​(マーケティングミックスモデリング)とは、​売上や​注文数などの​成果を、​ベースライン、​各マーケティング施策の​貢献度、​季節性やトレンドなどの​外部要因に​分けて​統計的に​説明する​手法です。
​チャネル別の​週次の​広告費、​週次の​売上、​価格や​販促、​季節性などの​外部要因と​いった​集計データを​使い、​個人単位の​トラッキングを​必要としません。
​各施策が​売上に​どれだけ貢献したか、​次の​1円が​どれだけの​効果を​生むかを、​予算配分の​判断に​使える​形で​示します。

MMMの​読み方は?

MMMは​「エムエムエム」と​読みます。
​Marketing Mix Modeling​(マーケティングミックスモデリング)の​頭文字です。
​メディアミックス​モデリング​(Media Mix Modeling)も​同じ​手法を​指し、​名称を​広告メディアに​限定した​ものです。

MMM分析で​わかる​ことは?

期間中に​各チャネルが​売上に​どれだけ貢献したか、​各チャネルの​反応曲線が​どのような​形か、​そして​現在の​広告費から​次の​1円を​増やした​ときの​限界的な​効果が​どれだけかが​わかります。
​これを​もとに、​飽和した​チャネルから​余地の​ある​チャネルへ​予算を​移す配分の​シミュレーションが​できます。
​一方で、​個々の​顧客の​行動や​クリエイティブの​良し悪しは​わかりません。

MMMと​アトリビューション分析の​違いは?

アトリビューション分析は​個人単位の​データを​使い、​追跡できた​接点の​間で​成果を​ルールに​従って​配分します。
​オフライン施策や​追跡できない​ユーザーは​見えず、​因果関係の​測定でもありません。
​MMMは​週次・​チャネル単位の​集計データで、​オンラインと​オフラインを​含む施策全体の​予算配分の​問いに​答えます。
​チャネル内の​最適化には​アトリビューション、​チャネル間の​予算配分には​MMMが​適しています。

MMMに​必要な​データ量は?

チャネル別の​週次広告費、​売上などの​成果指標、​価格や​販促、​季節性などの​外部要因を、​2〜3年分、​およそ100〜150週分​そろえるのが​目安です。
​2年未満の​場合は、​モデルの​推定より​先に​実験を​行います。
​また、​広告費が​毎週​ほぼ​一定の​チャネルは、​履歴が​どれだけ長くても​効果を​識別できません。
​履歴の​ない​ブランドは、​検証済みベンチマークと​実験から​始め、​データが​そろってから​モデルを​推定します。