メディアプランの作り方
メディアプランニングの解説:メディアプランとは何か、5つの手順、ダウンロードできるテンプレート、数字を入れた作成例。
そして根拠に基づくメディアプランニングで何が変わるか。
Julien Bourdon-Miyamoto · 更新日 2026年9月28日
メディアプランニングとは
メディアプランニングとは、あらかじめ定めたターゲットに広告メッセージを届けるために、チャネル、時期、予算、成果の測定方法を決めることです。その成果物がメディアプランで、予算をチャネル、掲載面、期間に配分した文書です。誰に届けるか、どこで、いつ、いくらで、という4つの問いに答えます。メディアプランニングの戦略は、なぜそのターゲットとチャネルを選んだのかを説明し、プランには予算、時期、測定指標を記録します。
メディアプランには、少なくとも、キャンペーンの目的と測定方法、ターゲットと接点となる媒体、選定したチャネルと掲載面、スケジュール、チャネル別・期間別の予算、モニタリングに使う指標を記載します。メッセージとクリエイティブの方向性はコミュニケーションプランで定め、フォーマットは選んだ掲載面に合わせてクリエイティブチームと決めます。
メディアプランの役割:コミュニケーションプランやメディアバイイングとの違い
メディアプランがあるのは、キャンペーンの目的に沿って広告予算を配分し、あとで各チャネルが何をもたらしたかを説明できるようにするためです。プランがなければ、キャンペーンはチャネルごとに、それぞれの論理とダッシュボードで決められ、全体像がつかみにくくなります。
メディアプランはコミュニケーションプランではありません。コミュニケーションプランは、ある期間のブランドのメッセージ、ターゲット、目的を定めます。何を、誰に、なぜ伝えるか。メディアプランでは、その方針に基づき、どの媒体に、いつ、いくらで広告を出すかを具体化します。メッセージ自体を作り直すのではなく、その届け方を決めます。
メディアバイイングでもありません。バイイングは、媒体社やプラットフォームとの広告枠の交渉と発注です。プランは、購入前には広告枠を選ぶ判断基準となり、購入後には広告が計画どおりに掲載・配信されたかを確認するために使います。
メディアプランニングの5つの手順
1. 目的と測定方法を決める。 認知、検討、売上、登録。キャンペーンごとに目的は一つ、それに対応する指標も一つです。この段階で、直接観測できる成果(注文数、店舗売上)と、推定にとどまる成果(屋外広告のリーチ)を分けておきます。また、その成果のうち広告によってもたらされた分をどう評価するか、実験によるのか、モデルによるのかも決めます。この区別をしておくと、キャンペーンを振り返る際の認識の食い違いを減らせます。
2. ターゲットを定義し、接点となる媒体を把握する。 誰がメッセージを見るべきで、その人たちにはどこで届くのか。ターゲットを定義する際は、属性に加え、利用する媒体や時間帯、デバイスといった行動も把握します。これにより、リーチ(ターゲットのうち広告に接触する人の割合)とフリークエンシー(広告への接触回数)を検討できます。
3. チャネルと掲載面を選ぶ。 メディアミックスとは、組み合わせることで、目的に見合うコストでターゲットに届くチャネルの集まりです。検索、ソーシャル広告、オンライン動画、屋外広告、ラジオ、テレビ、印刷媒体、パートナーシップ。各チャネルを、ターゲットへのリーチ、接触1回あたりのコスト、広告が掲載・配信される文脈、効果測定のしやすさという4つの基準で評価します。最も良い成果を報告するチャネルが、最も貢献しているチャネルとは限りません。各プラットフォームは別々に測定し、同じ売上を重複して数えることが多いからです。
4. 予算を配分し、スケジュールを決める。 ここがメディアプランの中心です。どのチャネルに、どの期間に、いくら。スケジュールは、季節性、商戦期、クリエイティブ制作のペースを考慮します。予算表の各行には、想定するリターンとその根拠を記載します。根拠が過去のキャンペーンの実測値なのか、モデルによる予測値なのか、ベンチマークなのかを明示します。計画時に記録しておけば、振り返りの際に、どのような根拠で予算を決めたかを確認できます。
5. モニタリングと調整を計画する。 メディアプランは承認されたら保管しておく文書ではありません。進捗を確認する頻度(キャンペーンの長さに応じて、多くは週1回)、対応を判断するしきい値、チャネルの成果が計画を下回った場合の対応(予算の再配分、停止、テスト)を決めます。プランの仮定を検証できるテストも計画し、不確かなまま残る仮定を記録しておきます。
ダウンロードできるメディアプランのテンプレート
テンプレートは表計算ファイルで、ダウンロード時にフォームへの入力は不要です。5つの手順に沿った内容を、3つのシートにまとめています。
- Plan:チャネルと期間ごとに1行。ターゲット、目的、掲載面、予算、想定ボリューム、成功指標、仮定の根拠(実測値、予測値、ベンチマーク)。
- チャネル別の仮定:各チャネルの想定リターン、その根拠、仮定を検証するためのテスト。
- 作成例:次のセクションの架空の配分と、チャネルごとの根拠、予定するテスト、3つの期間に分けたスケジュール。
ダウンロードのリンクはこのページの下にあります。
数字を入れた作成例
この例は架空のものです。オンラインで販売する化粧品ブランドが、フランスで新しい商品ラインの発売に合わせて12週間の広告施策を実施し、メディア予算に12万ユーロを充てる想定です。目的はオンライン売上で、追跡する指標は新ラインの注文数です。
| チャネル | プランでの役割 | 予算 | 比率 | リターンの仮定の根拠(架空) |
|---|---|---|---|---|
| 検索広告 | 他のチャネルが生んだ需要を刈り取る | 36,000ユーロ | 30% | ブランドの過去キャンペーンでの実測値 |
| ソーシャル広告 | 新ラインをターゲットに知らせる | 36,000ユーロ | 30% | チャネルとしては実測済み、新ラインでは要確認 |
| オンライン動画 | 発売前にメッセージを定着させる | 24,000ユーロ | 20% | ベンチマーク(このチャネルは未使用) |
| デジタル屋外広告 | ターゲットが行き交うエリアで新ラインを知らせる | 12,000ユーロ | 10% | ベンチマーク |
| パートナーシップとクリエイター | ターゲットからの信頼を得る | 12,000ユーロ | 10% | 仮定(テストを予定) |
スケジュールは3つの期間に分かれています。発売前の4週間は動画と屋外広告、次の4週間はすべてのチャネルが稼働、最後の4週間は検索とソーシャルで売上を支えます。週次の確認では、広告費と新ラインの注文数を見ます。チャネル別の注文1件あたりのコストは、明示したアトリビューション方法で算出します。この指標は、広告によって実際に生まれた注文数の推定値とは区別して評価します。
この表はお金がどこへ行くかを示します。配分が正しいかどうかは示しません。それが次の問いです。
チャネルごとの予算はいくらか:テンプレートが決めてくれないこと
表計算ファイルは配分を記録します。ソーシャル広告に配分した36,000ユーロを動画に回せばリターンが増えたのか、広告費がいくらになるとチャネルの効果が頭打ちになるのかは、表計算ファイルだけでは判断できません。答えるには、適切なデータかベンチマークと、仮定と不確実性を明示する方法が必要です。
判断の基準は、追加で投じる1ユーロから得られるリターンです。各チャネルの広告費と成果の関係は曲線で表せます。ある点を超えると追加投資のリターンは小さくなり、やがて飽和します。予算配分では、不確実性と各チャネルの制約を考慮しながら、追加投資でリターンが見込めるチャネルに予算を振り向けます。追加投資によって生じるリターンを測る指標が限界インクリメンタルROASです。広告費と成果の関係は、各チャネルの反応曲線で確認できます。
ブランドに十分な過去データがあれば、これらの曲線はメディアミックスモデリングで推定できます。この例の動画のように、あるチャネルの過去データがなければ、プランはベンチマークから始めます。ただし、その出どころがわかっていることが条件です。検証済みベンチマーク集は、資料から引用した一つの数字より信頼できます。どちらの場合も、地域別テストのような実験によって、プラットフォームが広告に帰属させた分ではなく、広告が実際に上乗せした分を測ることができます。データに基づくメディアプランニングは、まだ検証が必要な仮定も含めて、その根拠を明示します。
メディアプランナーの役割
メディアプランナーは、ここまでのすべてを行う人です。ブリーフに基づいて、ターゲットを定義し、チャネルと掲載面を選び、予算を配分し、スケジュールを決め、実施中は進捗を確認して調整します。組織によっては媒体社と直接交渉し、あるいは広告枠を購入する担当者と連携します。広告主側では、代理店への指示やプラットフォームの運用管理を担うことが多くなります。
メディアプランニングのツールは、多くの場合、表計算ファイルと各プラットフォームのダッシュボードです。難しいのはプランを作ることではありません。プランを最新の状態に保ち、測定基準の異なる数値を照合し、見直すタイミングを判断することです。これは、オンラインのチャネルを扱うデジタルのメディアプランニングでも、オンラインとオフラインの施策を調整するオムニチャネルのメディアプランニングでも同じです。メディアプランを年に一度しか見直さなければ、コスト、成果、目的が変わると、実態に合わなくなります。
データに基づくメディアプランニング:Media Plannerで変わること
KuwalystのMedia Plannerは、プラン内のすべての数値に根拠を示すという考え方に基づくメディアプランニングツールです。現時点で手元にあるデータや情報からプランを作成します。自社データがなければ、ブリーフと検証済みベンチマーク集に基づいてプランを作成し、ベンチマークを自社の実測値に置き換えていくためのテストを優先します。データウェアハウスとメディアミックスモデル(MMM)があれば、配分は平均リターンではなく、反応曲線が示す限界リターンに従います。
Plan、Operate、Tuneは一つのループです。同じワークスペースの中で、プランを作成し、キャンペーンを監視し、配分を調整します。目標の達成状況を毎週確認し、調整案には信頼度と裏付けとなる根拠を示します。運用方法は3つから選べます。設定した制限内で自動運用する方法、ワンクリックで承認する方法、すべての操作を実行前に手動で確認する方法です。
代理店は自社ブランドのもとでクライアントのために使います。ライセンスについては、代理店向けマーケティングサイエンスのホワイトラベル提供のページで紹介しています。ブランドは自社で運用することも、Kuwalystのチームに運用を任せることもできます。どちらの場合も、プラン、モデル、根拠はお客様のものです。