反応曲線
反応曲線は、広告費を変えたときにチャネルが生む成果を推定します。
現在の平均リターンだけでなく、次の予算判断による効果を考えるための手法です。
6 分で読めます · 更新日 2026年9月7日
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現在の広告費の位置で、原点からの破線は平均リターン、緑の接線は追加の1ユーロが生む限界リターンを表します。
図のような凹型の曲線では、限界リターンは平均を下回ります。
どのような手法か
反応曲線は、チャネルの広告費と、それによって生まれる売上の関係を表します。現在の広告費で読めば現在のリターン、別の広告費で読めば、その水準で見込まれる成果がわかります。計画は現在の配分を変える判断の集まりなので、曲線全体が必要です。
形は飽和によって決まり、投資余地が減るにつれて平坦になります。高さは推定したチャネル係数、周囲の幅はベイズモデルの事後分布から得られます。
メディアプランに必要な理由
同じ曲線上に、異なる問いに答える2つの数値があります。
平均リターンは、現在の売上を広告費で割った値です。原点から現在の点へ引いた線の傾きで、ダッシュボードのROASに相当します。「使った予算で、どれだけ売上が生まれたか」に答えます。
限界リターンは、現在の点での曲線の傾きです。「次の1ユーロは何を生むか」に答えます。凹型で平坦になっていく領域では平均を下回り、飽和が進むほど差が大きくなります。
平均だけで計画すると、過去に好成績だった、すでに飽和しやすいチャネルへ予算を追加し続けます。限界リターンで考えると、傾きが大きい場所へ予算を移せます。
仕組み
学習済みモデルは、チャネルごとに係数β、半飽和点k、形状sを持ちます。売上の曲線は次のように表せます。
revenue(spend) = β × saturation(adstock(spend))
これを複数の広告費水準で評価します。広告費xでの平均はrevenue(x) / x、限界リターンは微分で、実際にはxより少し広告費を増やしたときの売上差を追加費用で割って求めます。
シナリオはチャネルごとの広告費の組み合わせです。各曲線をその水準で評価し、合計にベースラインを加えると予測売上になります。事後分布の各サンプルで計算するため、予測も点推定と幅を持つ分布になります。
2つのシナリオの比較は、2つの分布の比較です。全体に予算を増やす成長案と、飽和チャネルを削る効率案を、予測リターン、不確実性、トレードオフとともに比較できます。
Kuwalystでの使い方
Plan画面は反応曲線を基盤にしています。シナリオの全体リターンを幅とともに表示し、「限界リターン0.87倍のチャネルから3.2倍のチャネルへ移す」といった根拠を説明します。リフトの区間がゼロをまたぐ場合、増加がない状態と明確に区別できないことも伝えます。
Tune画面は曲線に沿って予算移動を提案し、移動先が自らの飽和点に近づくまで、どれだけ移せるかを計算します。観測範囲の上限に近いチャネルには上限を設け、未知の領域を確かめる実験を提案します。
注意点
データのない先は外挿です。観測した最大広告費を超えるシナリオは、仮説として扱います。
1つの曲線は、1つのチャネルと一定期間に対応します。新しい素材、競合、価格変更によって動くことがあるため、四半期にわたる計画では再学習が必要です。
相互作用は自動的には表れません。テレビが指名検索を増やす場合、加法モデルは検索にテレビの成果の一部を割り当てることがあります。別途解釈するか、相互作用を明示的にモデル化する必要があります。
幅も読み取ってください。1本の線だけではモデルの不確実性が見えません。傾きに基づく判断も、その不確実性を引き継ぎます。
製品での活用例

全体の予測ROASと不確実性の幅、各チャネルの限界リターンに基づく判断理由を表示。